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「2月」!
「ナイトショーは大胆に」!
この2単語でとても身が引き締まります。
◆◇◆◇◆◇◆◇
脚本の駿一です。
皆様、「ナイトショーは大胆に」の公式サイトはご覧になりましたか?
「夢奇房ラジオ」が配信中です。現在、第5回!
最新の第5回は「児嶋いたる」くんがゲストに登場しています。
また、毎年恒例、本公演の参加者同士が対談する「カウントダウンインタビュー」も掲載予定です!
パフォーマーたちひとりひとりの、熱―く、そして楽しい話が今年も読めると思うと、僕たちもわくわくしています!
「ナイトショーは大胆に」を観る前に、聴いて、読んで。
「一体どんな舞台なんだろう」と想いを膨らましてみてはいかがでしょうか。
さて、突然ですがクイズです!
Q.以下の文章は前後の「ト書き*」を消したセリフです。
どんな設定でのやり取りだと考えられるでしょう?
*ト書き=脚本おいて、俳優が声に出す台詞以外の部分。動きや照明や音響の変化などを指示したりする描写
A「わたしキツネ。あなたは?」
B「ボク?タヌキ!」
…
…ふんふん……
「どうぶつが…森とかで…出あったとこ」?……なるほど。
たしかにここだけ読むと、アタモト(@atamotonu)さんのイラストを想像しちゃいます(可愛いよね!)。
でも、僕は「他の設定」をイメージして書きました。
勘の鋭い方ならスッとわかるかも!?
そんな僕の答えは後ほど。
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今回のテーマは「セリフ」です。
「書き手」と「話し手」の両サイドからお話したいと思います。
まずは「書き手」。
今回、初めて書いて思ったのが、
「セリフが長くなっちゃうなー」
という悩みです。
「セリフは短いほど良い」と言われています。
やはりそのほうが感情を乗せやすいですし、会話のテンポもよくなります。
長くなる主な原因は「設定や状況、気持ちを観客に説明するためだけのセリフ」であることが多いです。
そういうセリフは、あんまりキャラクターが生き生きしないんですよね。
「どうしたら短くできるか?」
学んで分かったことを、僕の備忘録も兼ねて、添削形式で紹介しようと思います。
例題。
お父さんが出かける前に鍵を忘れました。
玄関にいた近くの息子に言ったセリフがこちらです↓
「ごめん、テーブルの上の鍵を忘れたから取ってくれない?」
…うーん、これは結構な説明台詞(笑)。
さあ、これを少しずつ短くしていきましょう!!
①まず、忘れたことは、そのセリフの前の動きで伝えられます。カット!
↓
(お父さん、鍵がないことに気づく)
「ごめん、テーブルの上の鍵を取ってくれない?」
②「テーブルの上」というのも、言われた息子がテーブルに近づけば分かります。
↓
(お父さん、鍵がないことに気づく)
「ごめん、鍵を取ってくれない?」
(息子、テーブルの上の鍵をお父さんに渡す)
③最初と文末もいらないですかね?(優しいお母さんならそのままかなー?)
↓
(お父さん、鍵がないことに気づく。「ごめん」のジェスチャーで)
「鍵を取って」
(息子、テーブルの上の鍵をお父さんに渡す)
④細かいですが、日常的な会話では意外と助詞の「に」「を」「へ」とかを省略して喋ってます。
「どこ(に)いく?」
とか
「こっち(を)運んでくれる?」とか言いませんか?
(キッチリしたキャラクターとして、あえて助詞を残すというやりかたもできそうです。)
↓
(お父さん、鍵がないことに気づく。「ごめん」のジェスチャーで)
「鍵取って」
(息子、テーブルの上の鍵をお父さんに渡す)
おそらく、プロの方はもーっと深い見直しです!ただ、僕はこんな感じで見直ししています。
そう削ぎ落とした上で、人物の魅力や関係性がわかる描写を加え、また削って…
…スクラップ&ビルドの繰り返しです(笑)。
もちろん純粋に
「この人になんて言わせよう」「この人はああ言われたらなんて返すかな」
というのもひたすら考えます。
たとえば、【好き】ということを伝えるために
ストレートに「好きですっ!」って言ってもらうか、
動きで表現してから「…鈍感」って言わせるか、
むしろ正反対の「大っ嫌い!」で好意を表現できるかもしれません。
こんなことしながら、ずっと言葉をこねくり回してます。
さて、稽古が始まって原稿を「話し手」に渡します。
毎度毎度、
「文字として読むのと、声で聴くのは別ものだなー」
と痛感させられます。
脚本は完成したら一度、自分で声に出して確認しています。
それでも、最終的に良い台詞だったかどうかは、
本番の役者さんに読んでもらうことでズバッと分かります。
僕の場合、オカシな台詞は聞いていて耳がくすぐったくなるんです(笑)。
長かったり、語らせていたり、流れやキャラに合わなかったり…理由は様々なのですが。
何度も引っかかって読みずらそうな時も、「自然じゃないんだな」と思って変えたりします。
でもそればっかりではありません!
たまには上手くいく場合もあります!(…うん、たまーに)
その人の声で聴いたときにじわーと響いたり、ゾクッとしたり。
「すげー!だれだこのフレーズ書いたの!」って言いたくなるくらいテンションあがります(笑)
今ではそれよりもう一つ上のステップ、「台詞を超える」ことがしばしば出てきました。
役者さんは書き手以上にそのキャラクターについて考えているからでしょうね。
どうしたらお客さんに響くんだろう?
テンポか?
間か?
小声か大声か?
このセリフを言っているとき、何を思っているんだ?
こうした模索の末、表現がピタリと当たった時、
本人はまるで「金塊を掘り当てたような嬉しさ」がこみあげてきているんじゃないうでしょうか!?
なので、最近のシーン稽古は
「なるほど、そういう言い方か!」
と役者の提案に驚いたり笑ったり。
正直、稽古日は楽しいです。
そういうところもセリフの魅力ですね。
書き手を離れ、物語に命が吹き込まれようとしています。
まさに「Live(ライブ)」までもう少しといったところです。
お楽しみに。
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あ、そうだ!
最初の問題の答えを言っていませんでしたね!
前後のト書きを加えた、僕のイメージした設定です。
(琴のBGMが流れている。Aはメニューを眺めるとすぐにBへ手渡す)
A「わたしキツネ。あなたは?」
B「ボク?タヌキ!」
(雰囲気を察知した店員さんが、注文票を持って、二人のテーブルにやってくる)
二人は定食屋に来ていたんですね。
ちなみに私はキツネうどん派です。
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皆さんも食事やお風呂で身体を暖かくして、風邪など引かぬよう、健やかに残り約3週間をお過ごしくださいませ。
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